気になる箇所を、音と時点で共有する
「音を良くしたい」だけでは、調整の方向が定まりません。どの声や楽器の、どの区間が聞き取りにくいかを、元の音を聴きながら記録します。
音楽の中で前に出したいのか、話し声を聞き取りやすくしたいのかでも判断は変わります。音量を上げる前に、他の音との関係と、残したい質感を整理します。
音量と周波数のバランスを区別する
- 音量の調整
- 対象全体の大きさをどう扱うかを考えます。単独で目立つことと、ほかの音と一緒に聞きやすいことは分けて確かめます。
- 周波数の調整
- イコライザーは、周波数の帯域ごとに音の大きさを増減する処理です。気になる帯域を探し、変更した理由を残します。
- 処理の組み合わせ
- 複数の処理を重ねる場合も、各段階で何を変えたのかを確認できる状態にします。一度に多くの条件を変えすぎないようにします。
- 戻せる原音
- 元の音と、処理の設定と、書き出した処理音を区別します。必要なら変更前へ戻って比べられるようにします。
比較する区間と聞く条件を揃える
- 同じ区間を選ぶ
問題が現れる箇所と、残したい特徴が分かる箇所を選びます。
- 音の大きさを揃えて比べる
大きくなっただけで良くなったと判断しないよう、処理前後の聞こえる音量に注意して聴きます。
- 全体に戻して確認する
単独では好ましくても、曲や映像に重ねると合わないことがあります。最終的に使う組み合わせで確かめます。
表示から分かることと、耳で決めること
| 表示から分かることと、耳で決めること | 波形や表示を参照する | 実際の音を聴く |
|---|---|---|
| 探す手がかり | 音のある区間、急な変化、処理設定の違い。 | 言葉の明瞭さ、音色、違和感、意図しない変化。 |
| 確認の限界 | 表示が整っていても、用途に合う音とは限らない。 | 印象だけでは修正箇所を共有しにくいため、区間と条件を残す。 |
| 残す記録 | 対象ファイル、設定、比較する区間。 | 聴いたファイルと区間、気づいた点、採否の理由。 |
処理した音を渡す前に
元の音の問題を、処理ですべて解消できますか。
録音条件や元の素材によって調整できる範囲は変わります。無理に処理を重ねる前に、別テイクや録音のやり直しも含めて検討します。
試聴した設定のままなら、書き出しの確認は不要ですか。
範囲や形式を変えたファイルも、別途聴いて確かめます。最終ファイルの始まり、終わり、無音、意図しない音割れを確認します。
